弁理士・特許事務所の探し方

弁理士の探し方について説明する前に、弁理士の分布状況について簡単に説明したいと思います。弁理士会が公表している弁理士分布状況によると、2012年5月31日現在、弁理士の人数は9,595人となっています。このうち企業にお勤めの方(会社勤務)が1,930人、非営利団体等にお勤めの方が90人います。これらの弁理士は、一般のクライアントに弁理士業務を提供してはいないと考えてよいでしょう。特許事務所経営、特許事務所勤務、特許事務所共同経営、特許業務法人経営、特許業務法人勤務を合計すると約7,400人になりますが、経営に専念されている場合や登録しているが弁理士業務を行っていない場合もありますから、弁理士業務を提供している弁理士の数は7,000人程度と推測されます。

つまり、7,000人程度の弁理士の中から、あなたに合った弁理士を見つける必要があるわけです。

では、その7,000人はどこにいるのでしょうか?

「弁理士分布状況」によると、主たる事務所が東京となっている弁理士が56.6%、関東全域で68.4%となっており、約7割が関東に集中しています。特に特許庁のある霞が関周辺にはいくつもの大手の特許事務所があります。関東に続くのは、大阪を中心とする近畿圏の21.3%、愛知県(主に名古屋市)を中心とする東海地方の6.6%で、他の地方には弁理士は極端に少ない状況です。

東京・大阪・名古屋の大都市圏の人には、近くに弁理士を見つけること自体はそれほど難しくなさそうですが、自分に合った弁理士を見つけることは簡単とはいえなさそうです。

他の地方の人にとっては、近くで弁理士を見つけること自体、容易ではないでしょう。



弁理士の探し方

では、どうやって自分にピッタリの弁理士をみつければよいのでしょうか?

一番安心で確実なのは、特許事務所・弁理士を利用した経験のあるお知り合いの方から、おすすめの特許事務所・弁理士を紹介してもらうことだと思います。取り引きのある銀行が事務所を紹介してくれるケースもあると聞きます。

紹介してもらったけれど相性がいまいち合わない場合や紹介のあてがない場合などには自分で探さなければなりません。そんなときに使えるのが、弁理士会が提供している弁理士ナビというデータベースです。弁理士ナビでは、「地域」、「中小・ベンチャー企業対応の意思」、「大学・TLO対応の意思」、「専門分野」、「取り扱い業務」などの条件を指定して弁理士や特許事務所を探すことができます。

弁理士ナビで探すほか、弁理士会による無料特許相談を利用して、弁理士との付き合いのきっかけを作ることもできます。

また、自主的に無料相談を行っている事務所や、正式な受任に結びついたときに相談料は無料とする事務所など利用すれば、自分に合った事務所かどうかを手軽に試すことができると思います。


弁理士・特許事務所の選び方

弁理士・特許事務所を分類する方法は色々あります。

特許や実用新案を主に取り扱う技術系の事務所と、商標や意匠を主に取り扱う事務所とに分けることもできますし、規模(所属弁理士の数)で分けることもできます。また、権利化業務をメインにする事務所と訴訟・係争案件をメインにする事務所に分けることもできます。さらには、クライアントの構成による分類(例えば、特定の大企業からの仕事が受任業務の大半を占める事務所、中小・ベンチャーに特化した事務所、大半が海外のクライアントである事務所など)をすることもできます。以下では、中小・ベンチャー企業や個人が弁理士を探している場合を想定し、規模に応じた事務所の特徴(傾向)と選び方のツボをご紹介したいと思います。なお、ご紹介する内容は弁理士折坂茂樹の経験・知見に基づく個人的な見解にすぎません。紹介内容に合致しない事務所も多数存在するであろうと思いますのでその点をご了承ください。



弁理士が10名以上所属するような、特許事務所は中堅・大手の事務所と言えるでしょう。弁理士と同数程度の事務員等が在籍していると仮定して、弁理士を含む総人数が20名以上の事務所を弁理士ナビで検索すると、58件の事務所がヒットしました。

弁理士が多く所属している事務所は、特許、意匠、商標のすべてをカバーできる場合が多く、技術分野の対応範囲も広いことが多いです。事務スタッフも充実しているでしょうから安心感が魅力だと思います。

別の観点では、規模の大きな事務所は、多数の従業員の給与を賄っていくために安定した大手クライアントを抱えているケースが多いと言えます。特許電子図書館(IPDL)で代理人名(所長が代理人になっていることが多い)をキーにサーチすると、その事務所の過去の出願の公開広報を見たり、クライアントを調べることができます。また、特許事務所年鑑という本には、特許事務所のクライアント構成や、大手企業が利用している事務所がまとめられているので参考になります。また、私の知る限り、中堅・大手事務所でホームページ上に料金表を公開している事務所はそれほど多くありません。相談前に料金体系を確認しておくことをお勧めします。



弊所も含め弁理士1~数名の小規模特許事務所をひとくくりに語ることは容易でありません。所長の個性(こだわり、対応業務範囲)が色濃く反映された事務所であることが多いと言えるでしょう。弁理士分布状況によると弁理士数1人の事務所(主たる事務所)が2,670(2012年5月31日現在)、10名未満の事務所の総計が3,800以上にも上りますので、全国各地にある多くの特許事務所の大部分は、小規模弁理士と言ってよいでしょう。

所長のこだわりや対応業務範囲が、あなたのニーズにマッチするのであれば、最高です。反対に、あなたが重視しない点にこだわりを持っていたり、業務範囲がマッチしない場合には、相性が良くないと感じると思います。

別の観点では、小規模の事務所は、受任できる業務量の上限が低いといえます。大量の依頼や短納期の依頼については、対応ができないケースも出てくるでしょう。また、所長に万が一のことが起こった場合の、事務所の存続性(後継者の有無など)は小規模事務所の弱点です。複数の弁理士が所属している事務所、特許業務法人(2名以上の弁理士を社員として設立された特別な法人)となっている事務所、他事務所と提携関係を結んで有事に備えている事務所などは、比較的安心感があると言えるのではないでしょうか。

中堅以上の事務所と同様、小規模事務所でもメインクライアントの業務に特化している場合があります。極端な場合には、大手企業1社のみをクライアントとしている場合もあるようです。特許電子図書館(IPDL)弁理士ナビで検索して、中小・ベンチャー支援の姿勢を確認してみるとよいでしょう。ちなみに、弊所は中小企業・ベンチャー企業様を積極的に支援する事務所です。

事務所のホームページがあれば、そこから所長のこだわりや得意分野、事務所の雰囲気、相談しやすそうか、などを知ることができると思います。自分に合いそうかどうか、ホームページで確認してみるのもよいと思います。



  • メインクライアント以外のクライアントに積極的に対応する事務所か?
  • 自分の依頼しようとしている業務や技術分野に対応できる担当者がいるか?
  • 上記は特許電子図書館(IPDL)弁理士ナビでサーチしてみましょう
  • 事務所ホームページで自分に合いそうか、確認してみましょう
  • 料金体系は明確か?(ホームページに掲載されていなければ問い合わせてみましょう)

最後にIPボランチ国際特許事務所からのメッセージ

満足のいくサービスを受けるためには、自分に合った特許事務所・弁理士を見つけることがとても大切です。このホームページで公開している弊所の価値観サービス・料金体系をご覧になって興味をお持ちいただけたならば、電話、FAX、メール、お問い合わせフォーム等からご連絡くださいませ。わたしたちの信じる最高のサービスを、価値観を共有していただけるお客様に提供することが、わたしたちIPボランチ国際特許事務所にとって何よりの喜びです。


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